第8回目は、「尺貫法」についてです。
「尺貫法」は「しゃっかんほう」と読みます。
第8回目は、「尺貫法」についてです。「尺貫法」は「しゃっかんほう」と読みます。知っている人はパッと理解できますが、若い人には全く馴染みのない単語ですよね。
実はイベント業界では知っていてほしい知識の1つですので、ぜひ覚えておいてください。
■尺貫法
尺貫法(しゃっかんほう)とは、長さ・面積などの単位系の一つ。東アジアで広く使用されている。尺貫法という名称は、長さの単位に尺、質量の単位に貫を基本の単位とすることによる。ただし、「貫」は日本独自の単位であり、したがって尺貫法という名称は日本独自のものである。ーWikipediaより抜粋
現代では長さは「mm,cm,m」や、重さでは「g,kg,t」などが用いられていますが、1950年頃までの日本では尺貫法が用いられていました。
「一寸法師」や、「50坪の土地」「千里の道も一歩から」など、聞いたことがありますか?
「寸」「坪」「里」などが、それぞれ尺貫法という枠組みの中にある「単位」です。
専門学校で授業をしている時には、生徒たちに覚えさせてテストをしていました。
■覚えてほしい単位
イベント業界で知っていてほしい単位は数種類です。
「尺」(しゃく) 1尺 = 30.303cm = 約30cm or 30.3cm
「間」(けん) 1間 = 1,818.2mm = 約1.8m or 1.82m = 6尺
「坪」(つぼ) 1坪 = 3.305.85㎡ = 1,818.2mm x 1,818.2mm = 1間 x 1間 = 約3.3㎡
「貫」(かん) 1貫 = 3.75kg
この4つを知っていればおおよそ問題ないと思います。
可能なら「寸」も合わせて覚えてください。
「寸」は3.03cmです。なので一寸法師は3cm位なんですね。
さて、、イベントと何の関係があるんだよ。。。となりそうですが、下記の写真を見て下さい。
これ見たことありますよね?学校の運動会や町内会のお祭りでは良く見ていたと思いますし、イベント会場でも頻繁に使われている「テント」です。
実はこのテントの大きさは全て「尺(しゃく)」や「間(けん)」で表します。
この写真のテントの大きさは、「2間x3間(にけん・さんけん)」の大きさです。
1間=1818.2mm という長さですので、このテントの大きさは、
3,636.4mm x 5,454.6mm = 約3.6m x 5.4m の大きさです。
また、1間x1間の広さを「1坪」と呼びますので、2間x3間の広さは6坪となります。
最近は海外製のテントも増えてきていますので「メートル法」で作られたテントも多数存在ます。用途に応じて使い分けましょう。
その他にも、みなさんの自宅や実家に和室はありますか?和室には畳が敷いてあると思います。畳の大きさを測ったことはありますか?
この畳の大きさが、「6尺(=1間) x 3尺」の大きさです。
つまり、1818mm x 909mm ≠ 約1800mm x 900mm です。
細かなこと言えば、「江戸間」「京間」など大きさの違いはありますが、畳の話をしている訳ではないので、割愛します。(詳しく知りたい方はコチラをご覧ください)
先ほども「坪」の話が出ましたが、1坪=畳2枚(1800 x 1800)です。
なので、「50坪の土地」は畳100枚分の広さになります。
部屋の広さが6畳(じょう)と考えると、かなり広い土地ですよね。
また、ステージ・舞台の大きさも尺・間が使われています。
「6間 x 4間のステージ(約10.8m x 7.2m)」という使い方です。
舞台制作の仕事をする方はさらに細かな尺貫法を覚える必要があります。
この尺貫法を使っているのは、建築業界、舞台業界、イベント業界などでしょうか。他にも使っているという方がいればぜひ教えてください。
上記で1818mmと言ったり、1820mmと言ったり、1800mmと言ったりとしましたが、どれもほぼ正解です。というのが、作られるものによって基準が違うんです。
なので、なんとなく覚えれば大丈夫です。
上司に「2mm違うじゃないかー!!」と怒られることはあまりないです。
厳密な寸法でないといけない場合のみ先方と確認をしましょう。
人によって捉え方が違っていますので。。。
■重さの単位
最後に「貫」ですが、イベント業界では滅多に使わないのですが、「氷」を発注する際に必要になります。
こんな氷を見たことがありますか?
引用:末廣酒店様ーリンクはコチラ
また、夏の屋外イベントで、こんなものを見たことがありますでしょうか。
引用:模擬店レンタル専門店様ーリンクはコチラ
縁日なんかでも使われていますよね。「どぶづけ」と呼ばれているもので、ドリンクなどを冷やします。その際に、コンビニなどで売られている板氷ではすぐに溶けてしまうので、イベント屋さんは氷屋さんに氷を発注します。
←セブンイレブンロックアイス(板氷)
1.7kgと書いてあります。
貫目氷の3.75kgと比べると小さいの
が分かります。
氷屋さんは、「貫目氷(かんめごおり)」という大きさで氷を納品してくれます。
貫目氷 = 1貫目 = 3.75kg = 11cm x 13cm x 26cm になります。
■まとめ
尺貫法はイベントの施工関係で良く使われる会話です。代理店さん、制作会社さんでも、イベントを行う際、必ず施工会社さんと会話をします。
その際に尺貫法を知っておかないと会話がスムーズに進まないこともありますので、専門知識の1つとして覚えましょう。施工屋さんは嫌でも覚える知識です。
また、施工会社さんと話をする際に、もう1つ注意していただきたいこととして、施工屋さんは、メートル法の中で「mm(ミリメートル)」の単位を基本として使うということです。
会話の中で「長さは1500です」と言われたら、基本的に「1500mm」です。
ほとんど「cm」は使わないですね。電話や口頭で発注する際には、十分に注意しましょう。
私が施工屋時代に、「60でパネルを切ってください」と言われたので、当然のことながら「60mm(=6cm)」で作りました。
お渡しすると「何作ってんだよ!60で作れって言っただろ」と怒られました。
お客さんからすると60cmをイメージしていたらしいです。
どっちが悪いわけではないのですが、共通言語を持たないとトラブルになる可能性が高いです。
施工屋からすると、これは、「1800の600の机」です。
もちろん、W180cm x D60cm と言っても間違いではないですよ。
尺貫法のいくつかを覚えるとともに、イベント業界の中でも、立場によって違う捉え方があるということも覚えておきましょう。
尺貫法をさらに詳しく知りたい方はコチラのサイトに細かく載っています。
リンクー大日本図書様
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