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執筆者の写真イベント業界.com

イベント業界アカデミー 第10回 <法律>




今回のイベント業界アカデミーは「法律」についてです。

イベントのお仕事には、色々と「法律」が関わってきます。

難しい話はあまりせずに、「なるほど」というレベルで止めますので、

興味が湧いた方はぜひ深堀りしてみましょう。


①消防法

②警備業法

③道路交通法

④その他の法律


■法律??■


どんな仕事でもそうですが、守らなければいけない法律があります。

もちろんイベント業界も同様です。

その中でも、現場の人達に直接関わる部分をご紹介します。


■消防法■

消防法第1条には

「この法律は、火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行い、もつて安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資することを目的とする。」と書いてあります。


まぁ、火事にならないように予防して、もし火事などになったら、怪我した人を守ってね。

という感じでしょうか。


イベント現場でも火災事故が起こることがあります。

イベントに大きく影響を与えたのが、2013年に起きた「福知山花火大会 露天爆発事故」です。

この事故は、屋台で使われていた発電機用燃料の予備タンク(ガソリン携行缶)から、

ガソリンが吹き出し、火元に飛び散ったために起こった爆発火災である。


ガソリン携行缶の使い方については改めて別の講義で説明するが、

基礎知識があれば防げた事故であり、消防署としては同様の事故を起こすわけにはいかないと、気を引き締めた事故であった。


消防法とイベントは切っても切れない関係にある。

可燃物があり、人が多く集まるという状況を作り出すイベントは、火災による被害が非常に大きくなる可能性が高い。

そのためにも、イベント制作側の人間は火災に気を配る必要がある。

それ以外にも、多くの人が集まる場所の安全確保などもここに含まれる。


【影響すること】

・通路幅、避難動線の確保

・火気の使用

・発電機の使用

・屋根をつける際

・可燃物の設置(防炎・不燃素材以外)

・花火の打ち上げ、輸送

・煙が出る場合

・催事の届け出 などなど。。。


■警備業法■

普通の人にはあまり馴染みのない法律かも知れないが、イベント業界に置いてはごく当たり前のように耳にする法律である。


「警備業法=警備に関わる法律」であるが、これもなかなか複雑で資格を取らなければならない難しい法律です。

身近なものですと、よく工事現場や、道路工事をしている時に、車の誘導をしている制服を着た警備員さんを見かけますよね。

また、現金を運ぶ警備員や、ショッピングモールなどで見かける警備員さんなど、

実は多くの警備員さんが私達の身の回りには存在します。


イベントでも警備員さんがあちこちに立っていて、誘導してくれたり、立入禁止のフェンスの前にいたりますね。


警備業法では、1号業務 、2号業務、3号業務、4号業務の4種類に分かれています。

簡単に説明すると、


1号=施設警備業務=ショッピングモールやオフィスビル、遊園地などで働いてます

2号=交通誘導・雑踏警備業務=道路工事などの車両の誘導と、イベントなどの来場者警備

3号=貴重品運搬・核燃料物質等危険物運搬警備業務=呼んで字のごとくですね。

4号=身辺警備=俗に言う「ボディーガード」です。


警備員なら全部が出来るわけではなく、それぞれにおいて資格を取得する必要があります。

この辺を詳しく知りたい人はこちらへ⇢「一般社団法人 全国警備業協会


イベント業界において警備員を手配しなければならないことが多くあります。

その際に覚えていてほしいことは、主催者以外は「警備業の資格を持った会社」しか、

発注が出来ないということです。


警備員が必要だからといって、気軽に発注できません。



■警備の業務■


イベントにおいて警備は「第2号」になるのは分かったと思います。

では、その中の「雑踏警備」について、深堀りしていきましょう。


まず、なぜ警備が必要か。。。ということですが、

「多くの来場者を混乱なく誘導する」という大前提がイベントには必要です。

しっかりと誘導しないとどうなるのか、こんな事故が起きます。



業界の人なら誰もが知っている事故だと思います。

この事故は、逃げ場のない歩道橋の両側から来場者が押し寄せ、中央部分の来場者が圧迫されてしまい、死者11人、重軽傷者247人という大事故が起きました。

この事故をきっかけに「イベントにおける警備員の重要性」が再認識されました。


【影響すること】

・主催者以外の発注は禁止

・ただし、警備業法上の資格を保有している会社は発注可能

・警備計画を作ることも資格不保持者は禁止


つまり、素人が警備に関わるなということです。

明石花火大会も警備会社はいましたが、その発注側の人達に警備の重要性を認識できる人たちがいなかったために起こったことが原因です。


■道路交通法■


みなさんも日常で関連のある道路交通法です。

信号を守るとか、スピード違反などですね。


ただ、イベントで最もお世話になることは、「道路使用許可」になります。


その名の通りです。「道路を使わせてほしいので許可ください」というものです。

では、どのような時に道路を使う必要があるのでしょう。


・歩道上でティッシュやチラシを配る時

・歩道上に誘導看板等を設置する時

・歩道上などで撮影を行う時

・一時的に車両を止めなければならないような時

・来場者が歩道で観覧を行う可能性があるような時

・カラーコーンやフェンスなどで歩道を狭めたり、通行止めにする時 などなど


上記のようなことを行う場合、必ず道路使用許可を取らなければなりません。

道路使用をどのように行うのかなど、図面や概要書類と共に、道路の管轄警察署に行き、

まずは相談を行います。

その後、警察署の指導を受け、道路使用許可申請書を提出し、手数料を支払います。

手数料は2,100円ないし、2,700円になります。(R2.4月現在)


■その他の法律■


・屋外広告物条例

・建設業法

・労働者派遣法

・食品衛生法

・産業廃棄物処理法

・個人情報保護法

・景品表示法   などなど。。。


■まとめ■


制作会社の全ての業界人が、上記の法律を把握できていることは、ほぼないです。

そこまで出来るなら弁護士になれます。


私たちイベント業界の人間は、

「これをやるなら、この法律にひっかかるのかな?!」という思いを持つことです。

“知らなかった”が一切通用しないのが法律です。


無茶な話ですが、“人はみな、全ての法律を知っている前提で法律は動いてる”ということです。

専門の会社に相談したり、官公庁に相談したりしながら、徐々に“なるほど”を増やしましょう。



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